【アニメ感想】『ダーリン・イン・ザ・フランキス(ダリフラ)』面白いのか? 面白くないのか?【評価】

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前クールからの2クールアニメ、『ダーリン・イン・ザ・フランキス』(通称ダリフラ)折り返した所で感想・評価を。

 

トリガー&A-1のタッグということでハイクオリティアニメになることは前評判から間違いなかった。トリガーが作るロボットアニメということでガチ路線でいくのか、それともノリ重視のコメディ路線で来るのかと考えていたのですが、ガッチガチのガチ路線でした。

 

トリガーの母体と言えるガイナックス作品の中で言っても、今石洋之が監督を務めた『天元突破グレンラガン』よりガチ。『トップをねらえ!』よりもガチ。『フリクリ』よりもガチな作品。ともすれば『新世紀エヴァンゲリオン』級のガチ作品で度肝を抜かれた(いい意味で)

 

1話視聴段階で『まどマギ』以来のガチ作品が、しかもロボットアニメが来た! と興奮を覚えたのだが、世間の評価はそこまでではなかった。

 

否定的な意見として多く見られたのは「パクリ」という表現。

エヴァ」「グレンラガン」「スタードライバー」なんかの名前を並べて「ダリフラ」をパクリ作品と評する書き込みやツイートをしばしば目にしたが、自分としてはそうは思わなかったし、思わない。

エヴァ」のパクリとか言っている人は本当に「エヴァ」を見たことがあるのか? とさえ思える。パイロットスーツが似ているくらいしか共通点が見当たらない(現状。後述)

グレンラガン」のパクリという意見も、そりゃあ製作陣がほぼ一緒だからそりゃあそうでしょうと言ったところ。

スタードライバー」のパクリと言っているのはやや共感ができて、いや、全くパクリとは思っていないのだが、「ダリフラ」のロボットである「フランクス」を初めて見た時に、自分も「スタドラ」の「タウバーン」を思い起こしたから。

 

そんなものなので、世の評価など関係なしに個人的には久々に熱くなれる「神アニメ」が来た! と興奮していたのだが、序盤〜中盤の展開にやや熱が冷めることになる。

 

盛り沢山の設定も人間関係に終始

 

この物語、基本設定がかなりハード。

まず人類は地上での生活が不可能なほどに環境汚染が進んだとされる世界。プランテーション内でなんとか生活をする人類だが「叫竜」と呼ばれる謎生命?に襲われている。

「大人」と言われる人類の生活を叫竜から守るために「コドモ」達は叫竜と戦っている。

しかしここでの「コドモ」はいわゆる「大人」に対する「子供」ではなく、全く別種の存在であることが示唆されている。

何となく「ナウシカ」の旧人類と新人類の関係を思わせる。叫竜と蟲も何か似たものを感じさせる。

とにかくまだまだ語られていない、明らかになっていない設定がたくさんあるのだろうが、これがなかなか明らかにされない。部分部分でかなりキーとなりそうなシーンやセリフが挟まれるのだが、どうにも暗示的であったり、限定的に語られるのみで、全てがすっきりしない。

この辺り考察班にとっては燃え所なのだろうが個人的にはもう少し色々と見せてくれてもいい頃合いなのではと思うのです。

 

で、そういったすでにまとめきれるのかが不安なほどに広がった風呂敷の中で、メインストーリーは登場キャラ達の人間関係に終始しているのが個人的に停滞感を感じる部分なのです。

「何か色々面白そうな要素が詰まっているけど、実際痴話喧嘩繰り返してるだけ!?」というのが今のところの感想。

おそらくは男女の関係。恋愛、生殖といったものがこの物語の根幹になるのだろうけど、そこをメインに据えられても…という困惑が、今ひとつこの作品が跳ね切らない原因に思える。

数々のSF的設定、「叫竜」という的との戦闘さえもドロドロ人間関係の小道具に成り下がってしまっているのだ。

「来週はこの先どうなるのだろう?」というアニメを見るワクワク感の向かう先が、世界観を含めた物語の大きな流れに向かうのではなく、ヒロとゼロツーの関係、そこにイチゴやゴローを含めた関係に向かってしまっているのが非常にもったいなく、つまらなくなってしまっている。

 

向かうべき展開

 

とはいえ15話終了時点でようやくヒロ、ゼロツー、イチゴの三角関係には一旦の決着がついたように思える。

七賢人も色々と語り始め、多くのキーワードが15話では飛び出した。

ここから物語の展開が一気に変わるとなると加速度的に面白くなると思われる。

七賢人の目的が叫竜の殲滅に終わらないのは確定的で、エヴァでいう「人類補完計画」的なものなのか、ナウシカの「腐海による大気洗浄」的な話があがってくるのかわからないが、このまま叫竜と戦って終わりという事は決してないだろう。

「コドモ」達は必ず「大人」達と向かい合う事になるのだ。

ここからの展開は非常に楽しみである。

 

ただ本当に何とかして欲しい叫竜の魅力のなさ

 

色々と文句も書いたが、自分としては概ね「ダリフラ」を楽しんでみている。

ただ、ひとつ。

本当に納得のいかない、何とかして欲しい所は、叫竜の魅力のなさだ。

毎週毎週戦っているのに、叫竜に魅力が全くないのだ。

無に近い。

叫竜に魅力も緊張感もないので当然戦闘シーンも盛り上がらない。

一応毎回特殊能力を持った叫竜が現れ、倒し方も工夫されたりするのに全然面白くない。

エヴァ使徒のようにとまでは言わないが、もう少し魅力のある姿で叫竜を描けなかったのかが非常に残念だ。

なんやかんや、ロボットものである以上、「今週のびっくりどっきりメカ」的な展開が熱いんだからさぁ。

改めて思う。

その点エヴァって面白かったなぁ。。。

 

19話感想書きました。少し謎部分を整理しています。

 

masha01.hatenablog.com