VODに求める本質は「今観たい作品>面白い作品」:Netflixの独占配信が凄いんじゃないか?という話
ガチインドア派だがゲームを一切しない、テレビを所有していないという環境の私は、では家で何をしているのかというと本を読んでいるか動画を観あさっている。
そんな私にとって動画配信サービス(VOD)は生活になくてはならないものだし、妥協もない。これまでメジャーどころのサービスは大体試してきたし、現在も「Amazon prime video」「U-NEXT」「Netflix」「Disney DX」「dアニメストア」と5つのサービスを契約している。
◎Netflixというサービスについて
今回のメインの話題はNetflixについて。
もともとNetflixはバランスのいい動画配信サービス(VOD)ではあった。日本のテレビドラマに関してはHuluやFODに劣るものの、日本アニメも割と豊富で日本のバラエティもラインナップとして存在する。洋画・海外ドラマに関してはさすがの品揃えで、アメリカ作品に限らずヨーロッパ作品も豊富である。
だが動画配信サービスに詳しい人からすると、Netflixの魅力はオリジナルコンテンツにあると言われるだろう。
うん。その通りだと私も思う。
オリジナル作品はその作品を見たければサービスに契約する以外ないので、こちらが充実するということはサービス契約へのかなり大きな要因の一つとなる。Amazon Prime Videoも有名どころでいえば、松本人志「ドキュメンタル」など日本バラエティを中心にオリジナル作品を作っている節があるが、Netflixのそれは規格外の力の入れようである。
日本で有名な作品でいえば、こちらはフジテレビとの共同制作ではあるが「テラスハウス」もNetflixオリジナルコンテンツの一つであるし、最近話題になったドラマ作品、山田孝之主演の「全裸監督」もNetflixオリジナル作品である。
海外ドラマにしてもDCコミックの「デアデビル」や「フラッシュ」そのほかにも骨太な作品かかなりの数で揃っている。
そして何よりNetflixがここ最近力を入れていると思われるのは日本アニメである。
Netflixが巨大資本を投入し、日本アニメを作っている。Netflix資本流入により、日本のアニメ制作現場が大きく変わろうとしているといった記事も多く目にするようになってきた。実際にNetflixによる日本人クリエイターや制作会社の抱え込みは進んでいるという。
とはいえ、まだまだ手放しで面白いと言える作品が出揃っていないというのが個人的な感想。今後に期待はしているが、「オリジナル作品が面白いから!」とNetflixの契約を勧められるところまでは現状きていないかなと考えていた。
◎タイミングを狙っての過去作品の独占化
ではNetflixの何がすごいか。
今回私が気付いたのは「タイミングのいい過去作品の独占化」である。
今月たまたま2作品「エヴァンゲリオン」「攻殻機動隊SAC_2045」についての記事を書いた。そのどちらも現在話題になっているというところから書いた記事であるのだが。
その記事を書いた際に気づいたことに、この両作品の過去作品がどちらもNetflix独占配信になっていることだ。
攻殻機動隊に関しては「攻殻機動隊SAC_2045」が公開となり、話題になっているタイミング。エヴァンゲリオンは公式YouTubeにて新劇場版3作品が無料公開されたタイミングである。
エヴァンゲリオンのYouTube公開はコロナウィルス感染症の影響によってのものであるが、もともとを考えれば6月に劇場版最新作が公開を予定していた、その直前でのタイミングということを忘れてはならない。
人間が生活をする上で、特定の作品を再び観たいと思う時はどういう時か?
もちろん、個人の思いつきに依るところが大きいので、それを計算することは不可能だ。しかし連作・シリーズ物の最新作品が公開になるタイミングはどうだろうか?
過去作品を復習のためにであるとか、新作を観た際にもう一度過去作品を観たくなるなんてことは大いにあることである。
まだサンプルが少ないため、これが本当にNetflixが狙って行なっている事なのか断定はできないが、Netflixほどの企業である。そのあたりのマーケティング戦略を取っていないはずがないと予想される。
そして、それを可能にする潤沢な資本も持ち合わせているのだ。
◎「観たい時に観れない」は最大のストレス
動画配信サービスにおいて、「面白い作品がたくさんある」というのはもちろん大切な事である。こちらに主体性がなく、お勧めのままにたまたま出会った作品にハマることも多々ある。その動画配信サービスが素晴らしいと、プラス評価に繋がることもあるだろう。
しかし、これまで幾多の動画配信サービスを利用してきた経験の上で語らせてもらうと。
このプラス評価よりも「観たい作品が観れない」というストレスからくるマイナス評価の方がユーザーにとっては非常に大きいという事だ。
「どうしても観たい!」という作品が、契約しているサービスで配信されていない時のストレスは、そのままサービスの解約に繋がるほどである。
もっというとその作品が別のサービスでは視聴できるとなると、それはそのまま乗り換えに直結する。
そのどうしても観たい作品をタイミングよく独占化するという戦略をNetflixが本格的に取り入れているとすれば、これはもうそのままNetflixが動画配信サービスの天下を獲ることになるだろう。
先程も言った通りまだまだサンプルが少な過ぎるのでNetflixがどれ程まで狙って行なっているのか判断するのは難しい。
もしかしたら、ただの偶然の可能性もまだまだある。
Netflixのコンテンツの独占化という点に、今後も注目していきたい。